
看護師の夜勤の勤務時間とは?2交替制と3交替制の違いや72時間ルールについて解説!
- 美容看護師
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看護師の仕事に就くにあたって、特に気になることの1つが夜勤ではないでしょうか。「何時間くらい働くの?」「どのくらい忙しいの?」など不安や疑問を抱えている方は多いと思います。
本記事では、看護師の夜勤について解説します。2交代制、3交代制といった勤務時間体制や仕事内容、「72時間ルール」などについて詳しくわかる内容です。
これから看護師になりたい方、看護師への転職を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
看護師の夜勤の過ごし方とは?
そもそも看護師の勤務は、「日勤」と「夜勤」に分かれています。日勤と夜勤を組み合わせて、毎月シフトが作られる仕組みです。日勤と夜勤では勤務時間や仕事内容などにさまざまな違いがあります。
さらに特徴的なのは、夜勤の時間帯の捉え方によって「2交替制」「3交替制」という2種類の勤務体制がある点です。
ここでは、看護師の夜勤の勤務体制や仕事内容についてまとめます。
看護師の夜勤の勤務体制(2交替制と3交替制)
看護師の勤務体制には下記の2種類があり、医療機関によってどちらを取り入れているかは異なります。
2交替制 | 1日を「日勤」「夜勤」に分ける勤務形態 |
3交替制 | 1日を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」に分ける勤務形態 |
それでは、1つずつ解説します。
2交替制勤務
看護師の2交替制とは、1日を「日勤」と「夜勤」の2つに区切る勤務体制です。2つの時間帯で交替して職務を回すことから、このように呼ばれます。
具体的な勤務時間は、医療機関によって定められていますが、代表的なシフトの一例を以下に示します。
日勤 | 8:30〜17:30 |
夜勤 | 17:00〜9:00 |
2交代制における夜勤では、患者さんの夕食時間前にあたる17時頃に出勤し、翌朝9時〜10時頃に退勤するのが一般的です。勤務時間は16時間程度ですが、これは仮眠休憩の時間を含んでいます。
夜勤が終わったその日を「明け」と呼び、明けの日も勤務日扱いとなります。したがって、1度の夜勤で2日分の出勤というカウントです。また、明けの翌日は基本的に休みになります。
1回あたりの勤務時間が長くなる代わりに、出勤日数自体が減るというのが2交代制の夜勤の特徴です。このことから「慣れてしまえば夜勤の方が楽」と感じる看護師も多くいます。
3交替制勤務
看護師の3交替制とは、1日を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つに区切る勤務体制です。夜勤が2つの時間帯に分けられる点が、2交替制との違いになります。
代表的なシフトは、下記のとおりです。
日勤 | 8:00〜16:30 |
準夜勤 | 16:00〜24:30 |
深夜勤 | 24:00〜8:30 |
3交替制では、準夜勤・深夜勤ともに勤務時間は8時間程度となり、日勤とほとんど変わりません。2交替制の夜勤と比べると、およそ半分の勤務時間になります。
一方で、2交替制よりも生活が不規則になりやすい側面があります。
例えば、深夜勤の翌日が準夜勤というシフトで考えてみましょう。この場合、深夜勤が終わって朝に帰宅し、睡眠をとって、その日の夕方には準夜勤で出勤することになります。準夜勤の翌日は休みになりますが、やはり体力的には厳しくなることが想像できます。
1度の勤務時間が短い代わりに、勤務日数が増え、生活が不規則になりやすいのが、3
交替制の夜勤の特徴なのです。
看護師の夜勤の仕事内容とは?
看護師の夜勤では、どのような仕事をするのでしょうか。
主な夜勤の仕事内容は、下記のとおりです。
- ナースコール対応
- 採血、点滴交換、バイタルチェック
- 体位交換
- 急変対応
- 夜間巡回
- トラブル対応
ナースコール対応や採血、点滴交換など、上記の業務の多くは、日勤と変わりありません。しかし、夜勤では少ない人数の看護師でこれらの業務を分担するため、日勤に比べると忙しくなる傾向があります。
「夜間巡回」は、夜勤にしかない業務です。数時間に1度病室を巡回し、患者さんの様子を確認します。夜間の容態の変化を早期発見する、重要な業務です。
「トラブル対応」とは、患者さんが徘徊してしまう、点滴を抜いてしまうといった、夜間に急なトラブルが発生した時の対応を指します。夜間はこうしたトラブルが起きやすいため、迅速かつ適切な対応が求められます。
このように、日勤と同様の業務や巡回などを夜通し行い、患者さんの安全確保に務めるのが、夜勤の仕事です。
看護師の夜勤のタイムスケジュールとは?
ここからは、看護師の夜勤のタイムスケジュールについてまとめます。2交替制の夜勤・3交替制の準夜勤・深夜勤の具体的なタイムスケジュールを、それぞれ見ていきましょう。
これから看護師への就職やほかの医療機関への転職を考えている方は、ぜひ実際の勤務の流れをイメージし、職場を選ぶ際の参考にしてくださいね。
2交替制勤務のタイムスケジュール
2交替制の夜勤のタイムスケジュールは、下記のようになっています。
16:30 | 出勤日勤看護師からの申し送り(病棟・各チームごと) |
17:30 | 巡回、記録確認、点滴交換など |
18:00 | 夕食の配膳・食事介助 |
19:00 | 検温、血圧測定、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
20:00 | 休憩 |
21:00 | 消灯巡回、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
2:00 | 休憩 |
4:00 | 巡回、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
6:00 | 起床検温、血圧測定、採血、点滴交換、洗面介助など |
7:00 | 朝食の配膳、食事介助 |
7:30 | 配薬、口腔ケア |
8:30 | 日勤看護師への引き継ぎ、記録 |
9:00 | 勤務終了 |
一般的に、夜勤は3人ほどの看護師が担当し、上記のように交替で数時間の休憩をとりながら、連携して業務を行います。ただし、患者さんの容態の急変や緊急入院があった場合は例外です。
3交替制勤務のタイムスケジュール
3交替制の準夜勤と深夜勤のタイムスケジュール例は、下記のとおりです。
【準夜勤】
16:00 | 出勤日勤看護師からの申し送り(病棟・各チームごと) |
16:30 | 巡回、記録確認、点滴交換など |
18:00 | 夕食の配膳・食事介助 |
18:30 | 配薬、口腔ケア |
19:00 | 検温、血圧測定、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
20:00 | 休憩 |
21:00 | 消灯巡回、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
22:00 | 記録、点滴準備 |
23:00 | 巡回、点滴交換など |
24:00 | 深夜勤看護師への引き継ぎ、記録 |
24:30 | 勤務終了 |
【深夜勤】
24:00 | 出勤深夜勤看護師からの申し送り(病棟・各チームごと) |
1:00 | 巡回、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
4:00 | 休憩 |
5:00 | 巡回、点滴交換、排泄介助、体位交換など |
6:00 | 起床検温、血圧測定、採血、点滴交換、洗面介助など |
7:00 | 朝食の配膳、食事介 |
7:30 | 配薬、口腔ケア |
8:00 | 日勤看護師への引き継ぎ、記録 |
8:30 | 勤務終了 |
準夜勤と深夜勤を比較すると、日中の患者さんにまつわる業務があるという理由から、準夜勤の方が忙しくなりやすい傾向があります。
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実際に
2交替制と3交替制は
どっちが多いの?
近年、2交替制を取り入れる病院・病棟が増加しています。
日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、病棟で採用されている夜勤形態は、2交替制(夜勤1回あたり16時間以上)が約7割、3交替制(変則含む)が約3割であり、2交替制が3交替制を大きく上回る結果となりました。
具体的な調査結果は、下記のとおりです。
夜勤・交代制勤務の勤務形態(複数回答) | 件数 | 割合 |
三交代制(変則含む) | 1,065 | 28.8% |
二交代制(夜勤1回あたり16時間以上) | 2,801 | 75.7% |
二交代制(夜勤1回あたり16時間未満) | 672 | 18.2% |
その他 | 42 | 1.1% |
無回答・不明 | 3 | 0.1% |
一方、2019年度の調査にさかのぼると、2交替制を取り入れている病棟は全体の約4割なのに対し、3交替制は約6割という結果になっています。
【参考】:2019年度夜勤実態調査結果」医療労働
このことから、近年、2交替制を取り入れる病院・病棟が増加傾向にあり、3交替制の割合を上回っている現状があると言えます。
「72時間ルール」とは?
夜勤に影響はある?
ここからは、通称「72時間ルール」についてまとめます。
72時間ルールは、看護師の夜勤の労働時間にまつわる規則です。看護師として適正な労働時間で夜勤勤務をしていくために、知識として覚えておきましょう。
「72時間ルール」とは?
72時間ルールは、看護師の夜勤による負担を軽減するために制定された規則です。「看護師1人当たりの月平均夜勤時間を72時間以内にすること」が定められ、違反した場合は医療機関にペナルティが与えられます。
各医療機関は、看護師全員の月の夜勤時間を合計し、夜勤をした人数で割った数字が72時間以内になるようにしなければなりません。
「看護師」の定義については、2016年の診療報酬改定と同時に変更が加えられています。
従来のルールでは「月当たりの夜勤が16時間以下の看護師は含まれない」と定めており、夜勤の勤務時間が短い看護師は、全体数にカウントされないことになっていました。
しかし、その後「8時間未満の者は含まない」と定義が変更され、現在はより一層、看護師の負担軽減が図られるようになっています。
看護師の夜勤への影響は?
72時間ルールの導入により、1人あたりの月の夜勤時間は短縮されている傾向にあります。2016年の一部変更に伴い、短時間や少ない回数でも夜勤をしやすい環境になっているからです。
しかしその一方で、夜勤の回数や時間が一部の看護師に偏ってしまう状況が生じるようにもなりました。
現在、各医療機関には、夜勤に多く入れる看護師の負担が増大しないようにするための工夫が求められています。
看護師の夜勤の
3つのメリットは?
ここからは、看護師が夜勤で働くメリットについてまとめます。
主なメリットは、下記の3つです。
- 夜勤手当が貰える
- 日中の自由な時間が増える
- 緊急事態への対応が身につく
それでは、1つずつ解説します。
①夜勤手当が貰える
夜勤手当がもらえる点は、看護師で夜勤として働くメリットの1つです。
平日夜勤1回あたりの平均手当額は、下記のとおりです。
2交替制 | 11,368円 |
3交替制(準夜勤) | 4,234円 |
3交替制(深夜勤) | 5,199円 |
夜勤に入る回数によりますが、平均的には、1ヶ月で3〜5万円程度収入が上がることになります。夜勤手当による収入の増額は、夜勤の大きな利点と言えます。
②日中の自由な時間が増える
前述のとおり、特に2交替制の夜勤では、出勤日数自体が少なくなります。そのため、明けの日と翌日の休みを自由に使えるというメリットがあります。
平日の日中を自由に使えるぶん、混雑する場所にも行きやすくなるでしょう。もちろん、明けは睡眠をとるための1日ですが、日中の自由時間が増えるのは、夜勤がある看護師ならではの嬉しいポイントと言えます。
③緊急事態への対応が身につく
緊急時の対応力が身につくのも、夜勤ならではです。
夜勤では、通常業務や緊急時の対応を少人数の看護師で行わなければなりません。業務量が多く、責任も増しますが、そのぶん自己のスキルを高めることもできます。
患者さんの急な容態の変化や緊急入院など、夜間に起こりやすいトラブルへの対応力を、実践的に身につけられるでしょう。
看護師の夜勤の
3つのデメリットは?
ここからは、看護師が夜勤で働くデメリットについてまとめます。
主なデメリットは、下記の3つです。
- 不規則な勤務により生活リズムが崩れる
- 家族や友達と予定をあわせづらい
- 体力的にも精神的にも辛い
それでは、1つずつ解説します。
①不規則な勤務により生活リズムが崩れる
夜勤の代表的なデメリットは、生活リズムの乱れです。
看護師の仕事は、日勤と夜勤が入り混じるため、規則正しい生活を送ることが難しくなります。本来、私たちの体は、日中活動して夜に寝るようにできています。しかし、看護師の仕事では、日によって異なるリズムで生活しなければなりません。睡眠の質の確保や体調管理も難しいでしょう。
②家族や友達と予定をあわせづらい
周囲の人と予定をあわせにくいのも、夜勤のデメリットです。
看護師は、平日休日、昼夜問わず仕事に入るため、友達とのお出かけの予定なども決めにくくなります。また、生活リズムの相違により、家族との時間の確保も難しくなることがあります。夜勤では、予定をあわせる際に苦悩が生じやすいでしょう。
③体力的にも精神的にも辛い
看護師の夜勤のデメリット3点目は、体力的・精神的に負担がかかることです。
夜勤は長時間に及ぶだけでなく、十分な休憩をとれないこともあるため、体力的に負荷がかかってしまいます。また、不規則な生活により、精神的な負担も感じやすくなります。日勤だけの仕事に比べて、負担感は大きいと言えるでしょう。
夜勤の看護師求人の探し方の
4つのポイントは?
看護師として夜勤で働くことを考えている場合、下記4つのポイントで求人探しをするのがおすすめです。
人数 | 所属人数、夜勤に入る人数 |
手当 | 手当額 |
回数 | (日勤と夜勤の両方を行う場合)月の夜勤回数 |
時間 | 勤務体制、シフト開始時間 |
看護師の夜勤は、一般的に効率よく稼げると言われていますが、内情は職場によっては大きく異なり、給料が割安に感じてしまうケースも少なくありません。
人数が極端に不足していて業務量が過重になったり、想像よりも多く夜勤に入ることになってしまったり、シフト希望が通りにくかったりすることもあり得ます。
求人を探す際は、上記のポイントに注目し、自分にとって働きやすい職場であるかを見極めるよう努めましょう。
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まとめ
看護師の仕事に夜勤はつきもの。夜勤手当で効率よく稼げる、勤務日数が少ないなどのメリットがある反面、生活が不規則になりやすく、体力的・精神的に大変なのも事実です。
看護師としての勤務先を探す際は、夜勤があることを踏まえ、自分のイメージやライフスタイルに合った場所を探すようにしましょう。
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記事の監修者

松村 康平
代表取締役
ベンチャー企業、スタートアップ企業に入社し、事業立ち上げからの収益化、
人事採用まで幅広く経験。2020年にスペーム株式会社を設立。
実体験に基づき、自分を成長させるのは失敗を恐れずチャレンジすることだと考えております。
あなたが持つ「将来どう在りたいか」の志や夢のために
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