
看護師の給料が上がらない5つの理由は?今後は処遇改善で上がる?給料アップの方法も解説!
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「こんなに頑張って仕事をしているのに給料が上がらないのか」
「命と隣り合わせの仕事なのに給料が上がらない理由はどうして?」
このように、社会に必要不可欠な仕事にもかかわらず給料が上がらず、悩む看護師の方は多いのではないでしょうか。
しかし実際、看護師として働きながら給料アップを狙える方法があるのです。
そこで本記事では、看護師の給料が上がらない理由や給料アップの方法などを解説します。
給料で悩んでいる看護師の方や看護師を目指している方は、是非本記事を参考にしてください。
看護師の給料が上がらない
5つの理由は?
看護師という職業は、患者さんの命に携わる必要不可欠な仕事ですが、給料が上がらないと悩む方が多い傾向があります。
しかしその理由のなかには、看護業界全体の問題やシステムなどの、個人では解決できない問題によって、給料の昇給に限界が起こっていると言えます。
ここでは、看護師の給料が上がらない5つの理由を解説します。
①看護師の数が増加し、役職に就くのが難しい
看護師は経験年数で昇給するのはもちろんですが、役職に就くことによって給料も上がるのが一般的です。
しかし看護師の数の増加によって役職に就くための競争率が上がっており、役職に就けないまま経験年数を重ね続ける看護師の方も増えています。
例えば役職の就く割合について、他の職業で考えてみましょう。
警備業界で考えてみると、1つの現場に対して5~6人の現場職員が配置され、内1人が隊長になり役職を得られます。
一方で看護業界での役職に就ける割合は、30人に1人くらいの割合と言われています。
そのため、役職に就くのが難しい看護師は、役職になかなか就くことができず、給料を上げたくても上げられないという方も多いのが現状です。
②特に管理職に就くチャンスが少ない
看護師は管理職に就くチャンスが特に少ない職業と言われています。
管理職は主に看護部長や看護師長、看護主任がありますが、働く人数が多い看護師に対してこれらの管理職を手に入れるための倍率は高いのです。
そのため、看護師の経験年数を重ねたとしても、管理職に至るまで時間がかかる現実から、給料が上げられず辞めてしまう方も少なくありません。
またこの管理職を受け持つためには、組織管理能力や人材管理能力、危機管理能力など様々な能力が必要となり、責任も多くなることから管理職を諦め看護師が続けられないと感じてしまう方もいます。
このように働く人が多い看護師は管理職になるための倍率が高く、またその責任も重いため、チャンスが少なく諦める方も多いのが現状です。
③病院の経営圧迫により人件費に利益を回せない
看護師の給料は病院の経営によって、変動することがあります。
病院の経費内訳は以下の通りになります。
医療品費 | 20.0% |
給食などの各種委託費 | 6.0% |
設備関係費などの諸経費 | 17.0% |
人件費 | 57.0% |
このように、病院・施設が得た利益の内、約60%以下の割合が人件費に充てられているのです。
これ以上人件費を増やしてしまうと、病院にとっての利益が残らなくなり損になってしまうため、60%以上の人件費を回さないような還元率になっています。
また人件費が60%以上を占めると「経営が危ない」と噂されてしまうなどの理由から、看護師の給料は低く上がりにくいといわれているのです。
④夜勤や残業が少ないと手当分を稼げない
看護師はミスが許されない仕事であり、命に関わる責任の重さにも関わらず手当はなく給料は低い傾向にあります。
看護師の仕事は夜勤や残業が入ることも少なくありません。ただ夜勤や残業は手当がつき給料に上乗せされるため、手当分を稼ぐことができます。
しかしこの夜勤や残業は体力や生活習慣が乱れやすく、仕事に対してストレスが溜りやすい原因になり、看護師を続けられない方も増えてしまう原因になるでしょう。
また夜勤や残業は月のシフトや仕事の忙しさなどによって変動があるため、毎月安定に稼げる手当ではありません。
このように手当分を夜勤や残業で稼ぐことができますが、手当の不安定さや生活習慣の乱れやすさによって、稼ぐのは難しいと言えます。
⑤病院の診療科目や経営母体によって上がり幅が異なる
看護師の給料は、勤めている病院や施設だけでなく、病院の診療科目や経営母体によって給料の前後が生じます。
看護師は様々な診療科に配属されますが、その診療科目によっても収入の平均が変わってきます。
この診療科目のなかで最も平均年収が高いのは病理診療科で、最も低いのはアレルギー科と歯科です。
給料アップを望むのであれば、アレルギー科や歯科への看護師勤務はさけるべきですが、比較的身体的や肉体的に働きやすい傾向があります。
また経営母体は、国や公立、公的医療機関など様々な経営母体があり、それぞれで看護師の平均年収が変わってきます。
公立や公的医療機関は平均年収が高い傾向がありますが、最も低いのは医療法人・個人です。
給料が上がらないことに悩む看護師の方は、勤めている診療科目や経営母体を今一度確認すると良いでしょう。
看護師の平均年収は?
他の職種より高い?
看護師の給料は一般の会社員と比較すると、平均年収は他の職種よりも高い傾向にあります。
職業名 | 平均年収 | 平均年間賞与・特別給付額 | 平均年収 |
看護師 | 約34万円 | 約83万円 | 約491万円 |
准看護師 | 約29万円 | 約61万円 | 約409万円 |
会社員 | 約33万円 | 約78万円 | 約473万円 |
政府統計の総合窓口(e-Stat)|賃金構造基本統計調査より独自に作成
ただし、看護師と准看護師では大きな給料の違いがあり、准看護師の場合は一般の会社員よりも給料面が低い傾向があるため、給料を上げるためには正看護師になるのが良いとされます。
ただし、会社員よりも給料は高いですが、命と隣り合わせで夜勤や残業が多い看護師の仕事は、「仕事の大変さに見合っていない」と言われることから「看護師の給料が低い」と考えられるでしょう。
2024年6月以降で
看護師の給料が上がる?
令和6年度慎重報酬改定によって、2024年度の看護師の処遇改善では2024年度と2025年度における職員のベースアップ率に関する目標が掲げられました。
このベースアップ率はどちらも+2.5%と賃上げが行われる見込みで、看護師や准看護師、助産師や看護補助者などの職員が対象となります。
そのため、2024年6月以降で、対象者にあたる看護師の給料が上がる見込みです。
看護師の給料アップの方法5選!
これまで看護師の給料が上がらない理由などについて解説をしてきましたが、そのなかでも看護師の給料をアップさせる方法があります。
この方法を実践することで、現在看護師で働く方の給料が上がるきっかけになる他、これから看護師を目指す方の給料アップの最短化に近づける可能性が高まるでしょう。
では看護師の給料アップの方法を5選を解説します。
①看護師長の評価を勝ち取る
看護師長は、看護師の直属の上司であるため、看護師長から評価を得られれば給料アップが期待できます。
これは看護師長から評価を得られれば、給料の一部を占める仕事給が上がる可能性があるからなのです。
看護師長から評価を得るためには、自身の仕事ぶりをアピールしながら看護師長とコミュニケーションを取り、友好な関係を保つことで昇給を目指せるかもしれません。
ただし例外に「成果」を著しく上回った場合に数値で評価される仕組みが整っている病院であれば、看護師長の評価はあまり関係ないと言えるでしょう。
そのため、成果を確実に残しながら看護師長と友好な関係を保つことで、給料アップをさらに期待できる可能性が高まります。
②管理職を目指す
管理職になれば、看護師として給料アップを目指すことができます。
管理職は「看護主任・係長」「看護師長」「看護部長」の3種類があります。
管理職になることで、一般の看護師とは違う職務が任されることが多くなり、全体の把握が大切になることから、責任が重いといわれるのも少なくありません。
ただし、看護師全体をまとめる重要な役職であるため、管理職それぞれに手当が発生します。この手当の関係で、管理職になれば給料を上げられるのです。
この管理職に昇格するためには以下の経験年数が必要になります。
管理職種類 | 経験年数 |
看護主任 | 実務経験10年以上 |
看護師長 | 看護師として15年以上看護主任としての実務経験 |
看護部長 | 看護師として15年以上看護師長として10年以上 |
参考:レバウェル看護
このように長い経験年数は必要ですが、確実に給料アップを目指すことができます。
③基本給が高い病院・クリニックに転職する
看護師の給料は病院の利益によって左右されますが、その利益などは経営母体である病院が管理して最終的な給料を決めています。
そのため給料を高く設定している公立や公的医療機関、社会保障関係団体などの病院・施設が経営母体になっている病院に転職するのも給料をアップさせる方法の一つです。
また診療科目によっても看護師の給料が変わってくるため、比較的高く設定されている「病理診断科」のある病院に転職をするのも良いでしょう。
このように今勤務している病院が安く給料を設定している場合は、上記特徴のある病院やクリニックに転職をすることで給料アップが狙えます。
④日給の単発の仕事を探す
看護師の資格を持っていれば、日給の高い単発・スポットの仕事で給料アップを狙えます。
単発・スポットの仕事とは、介護施設などの普段医療行為をしない施設で、数時間から数日のみ看護師として働くというものです。
これらは専門資格のため給料が高く設定されており、なかには2〜3万円ほどの求人もあります。
また命と関わる責任が大きい看護師の仕事は毎年入れ替わりが激しいため、人手不足な職場も多いでしょう。こうなると、単発看護師の求人も自然と増え、仕事を探しやすくなるメリットもあるのです。
⑤他の職種への転職を検討する
看護師の給料アップには様々な方法がありますが、思い切って異業種に転職するのも一つの手段です。
ただし注意点として、看護師とは全く違う異業種に転職をしてしまうと、スキルが無い状態で転職という形になるため、給料が下がる可能性が高いです。
そのため異業種へ転職する際は、看護師で得た経験が活かせる看護師資格関係の仕事への転職がおすすめです。
看護師スキルを活かせる職種の一例 |
病児保育士産業保健師保健師保育園の看護師ケアマネージャー医療系Webライター |
また看護師スキルを活かせる仕事でも給料が下がってしまう可能性もあるため、看護師の時より給料アップができるような職種を選びましょう。
看護師の給料アップの
注意点とは?
看護師が給料をアップさせるために、夜勤や残業の手当や管理職を目指すなど様々な方法があります。
しかし給料をアップさせるために夜勤や残業等を無理に増やそうと頑張っても、体調を崩してしまったり、看護師を続けられるメンタルを維持できなかったりと、無駄な努力になりかねません。
そこで看護師の給料アップをする際の注意点について3つ解説します。
過度な残業は絶対に避ける
残業は時間外労働になるため給料アップに繋がりますが、過度な残業は絶対に避けましょう。
長時間労働は体調不良の原因となり、過労死などの危険な方向にも繋がりかねません。
様々な職業のなかでも、看護師は特に長時間労働が多いと言われている仕事です。
また過度な残業は体調を崩しやすくなり、他の出勤日に仕事に出られず、欠勤になってしまうこともあります。こうなると残業で給料アップを目指したにも関わらず、欠勤によって給料が減るという悪循環になります。
そのため体調を崩さないためにも、残業時間を多くして残業代を多くして給料アップを狙うのは絶対に避けましょう。
資格取得はコスパが悪い
一般の看護師の他に、認定看護師や専門看護師などの資格を取得するのはおすすめできません。
資格取得をする分には損はないですが、給料アップを目的として資格取得を考える場合は、尚更避けた方が良いでしょう。
理由として病院の約半分以上が、認定看護師や専門看護師の資格手当や昇給がないからです。
さらに認定看護師や専門看護師などの資格を取る場合、かかる費用が高額になります。資格取得費用が高いにもかかわらず昇給ができないというのは、給料アップを目指す上では必要性がないと言えます。
給料アップを目的として資格取得を考える場合は、転職時に役立つ資格を取得するのはおすすめです。
副業を始める
看護師として働きながら、副業で給料アップをするのはやめましょう。
看護師は就業規則で副業を禁止している病院や施設が多くあります。そのため副業が知られた場合には、処罰を受けることもあります。(規則によって異なります)
また看護師が副業を行うと、長時間労働により体調を崩してしまい、その疲れによって本業で医療ミスを起こすなどのリスクが考えられます。
看護師は患者さんの命に関わる仕事のため、1つの小さなミスが取り返しの付かない大きなミスになりかねません。
そのため、給料アップをするために副業を始めるのはやめましょう。
美容医療への転職には
「メディビュー」がおすすめ!
看護師で働きながら給料アップを目指す方法はいろいろありますが、看護師の経験を活かしながら別職種に転職を考える方は、美容医療への転職も一つの手です。
美容医療への転職先は数多くあり探すのにも一苦労ですが、その際に美容クリニック専門転職サイトの「メディビュー」の活用がおすすめです。
「メディビュー」では看護師の経験を活かせる転職先を豊富に紹介しており、自分に合った求人を見つけることが期待できます。
まとめ
本記事では、看護師の給料が上がらない理由や給料をアップさせる方法と注意点について解説しました。
看護師は給料をアップさせるために管理職に就くことや評価を得る、異業種への転職をするなど様々な方法があります。
しかし、給料アップをしようと残業を増やしたり副業を始めてしまうと体調を崩しかねません。
この大量不調によって医療ミスを起こすと、患者さんの命に関わったり大きなミスに繋がる場合もあるため、給料アップばかりを考えて働くのはやめましょう。
看護師として給料を上げるためには、経験年数を重ねて管理職に就くなど、地道な努力も大切になるのです。
また美容医療への転職は、看護師の方のなかでも人気を誇っています。
もし美容医療への看護師として転職を考える方は、美容医療専門転職サイト「メディビュー」をぜひ活用してみてください。
記事の監修者

松村 康平
代表取締役
ベンチャー企業、スタートアップ企業に入社し、事業立ち上げからの収益化、
人事採用まで幅広く経験。2020年にスペーム株式会社を設立。
実体験に基づき、自分を成長させるのは失敗を恐れずチャレンジすることだと考えております。
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